「友野くんが自分の手で代表を掴み取れますように」
フィギュアスケート選手の友野一希くんを好きになって5シーズン目になる。
その間、彼に対して抱いていた最大の願いがこれ。
友野くんは国際大会で表彰台に乗る実力を持つ選手だ。
だけど、これまで友野くんが国際大会に出場したとき、はじめから代表だった訳ではなかったことが多い。
他の選手の怪我や調整のための欠場によって、補欠からの繰り上げつまり誰かの代打として出場する姿を何度も見てきた。
ちなみに友野くんのWikipediaには「代替出場での成績」という項目がある。*1
それだけ代替出場というのは彼を語る上で外せないトピックとなっている。
友野くんが補欠に選考されると私は複雑な気持ちになる。
私は「好きな選手は誰?」と聞かれたら迷わず「友野一希くん」と答えるくらいには彼のことが好きだ。
綺麗事に聞こえるかもしれないけど、だからといって他のスケーターのことがどうでもいいわけではないし、試合に出てほしくない選手なんて1人もいない(これは国内外関係なくそう)。
友野くんの補欠繰り上げを願うことは、他の誰かの欠場を期待しているみたいで正直心苦しくもあった。
それに、日本の男子シングルの選手層を考えれば、補欠に選ばれるだけでも十分すごいことだった。
私が友野くんに出会った18-19シーズン、シニア2年目の友野くんは年齢的にも実力的にも「上には羽生・宇野、下にはジュニアの超新星」みたいな立ち位置で、それから数シーズンそんな状態が続いていた。
日本男子シングル、層厚すぎ‼️‼️‼️*2
今シーズンはそれからすこし状況は変わったけど、日本男子シングルの層の厚さが急に失われたわけではない。
海外スケオタのこのツイート(去年の四大陸選手権のとき)
It's hard for a skater from Japan. If he's from another country, with his ability, he would have many more opportunities to compete internationally and train his mental strength.
https://twitter.com/nie21235488/status/1464597368670543875
「ほんとそれ‼️‼️‼️‼️」と共感の雄叫びを上げながら心のビッグいいねを押した。
出会ったばかりの18-19シーズン当時、跳べるクワドはサルコウのみ、加えて実戦での決定率は50%未満だった。
それが昨シーズン、
4Tと4Sそして4T3Tのコンボを完璧に降りて、国際大会でSP100点超、FS175点超と世界のトップ選手に相応しいスコアを出すようになった。
だけどそのスコアを出したのも、代打で出場した世界選手権だった。
だから世界選手権の後しばらく、
「結果出せたんだからいいじゃん、代打じゃダメなんですか❓(蓮舫)」
と
「誰かが欠場しなければこの大会に彼は不在でこのスコアも存在しなかった…………泣泣泣」
と心が2つに分裂してちょっとだけ病んだ。
唯一救いだったのは、世界選手権閉幕後に公開されたインタビューの記事。
自身5度目となった代替出場。その中でも好成績を残してきており、「代打の神様」の愛称がついた。友野自身「最高の褒め言葉ですよ。阪神ファンなので」と好印象という。野球選手で思い浮かぶ選手を問われ「僕はやっぱり、桧山(進次郎)選手しかいないですね。桧山選手世代なので」と明かした。
https://hochi.news/articles/20220327-OHT1T51277.html
今年も新しいシーズンが始まった。
シーズン前半に行われる主要な国際大会にグランプリシリーズ(以後GPS)がある。
6つの国際大会(1人の選手が参加できるのは最大2戦)を経て、その結果をポイントとしてグランプリファイナル(以後ファイナル)の出場者6人を決定する、という仕組みだ。*3
ここ2シーズンほど、友野くんはアサインされた2試合のうち少なくとも1試合では表彰台に乗っていた。
場合にもよるけど、ファイナルへの出場可能性は2戦とも表彰台に上がれるかでほぼ決まると言ってもよく、昨シーズンの戦績を考えると友野くんは十分ファイナルに行ける力を持っていると信じていた。
加えて今シーズンのGPSは、某フィギュア強豪国が不在ということもあって、不謹慎にも正直チャンスだと思っていた。
そして昨日
22-23シーズンのGPSのうち、友野くんが出場する2大会目が終わった。
1戦目のフランス杯で3位だった友野くんは、2戦目のNHK杯で2位以上になればファイナルへの出場可能性が残る。
最終結果は4位。
SP・FSともにクワドが決まらず、完璧な演技とは言えなかった。それでも友野くんがジャンプにミスがあっても大崩れしない強さを持っていることを実感した。
自分の演技後、キスクラからリンクサイドに残って、「お前はコーチか」ってぐらい熱心に山本草太くんの応援をしていたり
草太くんがザヤった(ジャンプの種類・回数を違反した)ことに関して昌磨くんも含めてにこにこ話し合いをしていたり
(話は逸れるが、山本草太くんもかなりアツいバックグラウンドがある選手だ。)
「だからフィギュアスケートが好きなんだよな」が詰まった大会だった。
だけど友野くんは今シーズンもファイナルへの出場はできない。
「今年もやっぱり」なんて思ったら彼のファンとして失格なのかも知れない。
一番悔しいのは本人だろう。
まだシーズンは終わっていない。
これから世界選手権と四大陸選手権の選考会である全日本選手権を控えている。
代打で大会に出ることがネガティブな意味を持つわけじゃない。
表彰台に乗れるから、メダルが獲れるから、代表になれるから、彼のことを好きなわけじゃない。
だけど彼のことを応援している身として願わずにはいられない。
いつか彼が自分の手で代表を掴み取ることができますように。
「代打の神様」ではなく、本当の「神様」になれますように。
ドデカ企業が友野くんのスポンサーになってくれますように‼️‼️‼️
*1:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/友野一希
*2:女子シングルもほぼ同じ状態と言って良い ちなみに今季不在の某強豪国では同様の理由で国籍を変更する選手もいる
*3:だいぶざっくりとした説明なので詳しくはISUのページ https://isu.org/figure-skating/events/grand-prix-of-figure-skating かアニメ「ユーリ!!! on ICE」をみよう